深呼吸学部からのメッセージ1「振り子」

 
何かが現れれば、必ず、その反対側に、現れたものと対極にあるものが現れる。
 
人の歴史は、その2つの価値観を大きく揺れ動きながら、進んできた。
それは単純に「表と裏」「右と左」を往復運動することではない。
一往復した時に、人は、最初の自分とは変わっている。そこに「時間」と「経験」が加わっているからだ。
何度も往復運動することによって、その急激な速度の中で、「表でも裏でもないもの」「右でも左でもないもの」を生み出す。男と女にとって、子どもとは父でも母でもない「第三者的なるもの」である。
人は機械技術の発達により「便利で素早いもの」を追求してきた。そして、私たちは、多くの利便性を得た。その社会の中で考えるべきことは、今後も「便利で素早いもの」を追求していくことと同時に、「不便でのろまのもの」の価値も同時に追求するべきなのだ。

「文明は人に利便性を与える。文化は人にアイデンティティを与える」(林雄二郎)

私たちは「文明」と「文化」の振り子運動の中で21世紀を進んでいる。
20世紀は、無数の私が集まって組織なり国家になり、他の組織や国家と競ったが、21世紀は、組織の役割が霧散し、私とあなたの関係性だけの世界になる。


対話とは、私の価値観とあなたの価値観との振り子運動である。この振り子運動が速度を高めれば、そこに第三者としての未来が生まれてくるのである。